ペアローンの借り換えで確認すること|単独名義にする場合の贈与・控除・団信

公開・内容確認:2026年10月28日

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結論

夫婦などで組んだペアローンを借り換える方法は、大きく「同じ2人・同じ割合のペアローンとして借り換える」「1本のローン(単独名義や連帯債務)にまとめる」の2つです。手続きが比較的まとまりやすいのは前者で、金融機関によっては、他行のペアローンを単独名義にまとめる借り換えは受け付けていないと公式に表示しています。

単独名義にまとめる場合は、費用の比較に加えて次の3点の確認が欠かせません。

税の扱いは個々の事情で変わるため、単独名義への変更を考えるときは、申し込む前に税理士または税務署に相談してください。金利や取扱い条件は、金融機関の公式ページの表示と審査の結果で決まります。

ペアローン・連帯債務・収入合算の違い

借り換えの選択肢を考える前に、いまのローンの形を確認します。PayPay銀行の公式ページの説明をもとに整理すると、次のとおりです(2026年10月28日確認)。

形ローンの本数持分団信住宅ローン控除
ペアローン2本(持分割合に応じてそれぞれが借りる。互いに連帯保証人兼担保提供者)それぞれが持つそれぞれが加入を申し込む2人それぞれが対象
収入合算(連帯保証型)1本申込人のみ、または合算者が自己資金で持つ場合がある合算者は加入不要合算者は対象外
連帯債務1本(2人が債務者)それぞれが持つのが一般的商品による商品・負担割合による

PayPay銀行は、連帯債務の場合はペアローンで申し込むよう案内しています。【フラット35】の借換融資は、原則として借換対象ローンの債務者と申込人が同一であることを求め、連帯債務者を含めて最大2名まで債務者を追加できるとしています。どの形を扱うかは金融機関ごとに異なります。

借り換えの選択肢と確認点

選択肢主な確認点
同じ2人・同じ割合のペアローンで借り換え2本分の諸費用(印紙税、定額型の事務手数料など)。2人とも新たに団信に加入できるか。2人とも審査に通るか
1本の連帯債務にまとめる扱う金融機関があるか。持分と負担割合の関係。住宅ローン控除の対象額の分け方
単独名義にまとめる扱う金融機関があるか。贈与税・持分の扱い。借入がなくなる人の控除と団信。単独の収入で審査に通るか
片方のローンだけ借り換える扱う金融機関があるか(ペアローンは互いに連帯保証・担保提供しているため、片方だけの借り換えは条件が限られる場合がある)

PayPay銀行の現行公式ページは、借換え前の借入形態からの変更には制限があると案内しています。単独・収入合算・ペア・連帯債務のどの変更を受け付けるかは、現在の申込条件と審査で確認し、他行にも同じ制限があるとは扱いません。

計算例:諸費用はどこが変わるか

次の例は、夫の残高1,800万円、妻の残高900万円(合計2,700万円)のペアローンを借り換える場合の、印紙税と事務手数料の違いです。事務手数料の率・金額は説明のための例です。

費用ペアローン(2本)1本にまとめる(2,700万円)
印紙税(金銭消費貸借契約書)2万円(1,800万円)+1万円(900万円)=3万円2万円
事務手数料(定率2.20%の場合)396,000円+198,000円=594,000円594,000円
事務手数料(定額型の場合)1本あたりの金額×2本1本分
抵当権設定の登録免許税(債権金額×0.4%)72,000円+36,000円=108,000円108,000円

印紙税は国税庁の一覧表で、500万円を超え1,000万円以下は1万円、1,000万円を超え5,000万円以下は2万円です。定率型の事務手数料と登録免許税は、合計額が同じなら本数で大きくは変わりませんが、定額型の手数料や司法書士報酬は本数・登記の数で変わる場合があります。諸費用全体の考え方は借換え諸費用の一覧、金融機関ごとの手数料の例は金融機関の手数料の例にあります。

単独名義にまとめる場合の贈与税の考え方

国税庁のタックスアンサー(No.4402)は、「債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたものとみなされて贈与税がかかります」と説明しています。ペアローンの一方の借入を、もう一方が新しいローンで肩代わりする形になると、借入がなくなった人が利益を受けたとみなされる可能性があります。

仮に、上の例で妻の残高900万円分が夫から妻への贈与と扱われた場合、一般贈与財産用の速算表(No.4408)で計算すると、贈与税額は次のとおりです。

計算金額
贈与とされた額900万円
基礎控除後(900万円−110万円)790万円
税額(790万円×40%−125万円)191万円

この計算は「肩代わりした額がそのまま贈与とされた場合」の仮の例です。実際には、持分を移すかどうか(持分を移す場合は贈与ではなく売買として、譲渡所得の課税が問題になることもあります)、移す持分の評価額、夫婦それぞれの資金の出し方によって扱いが変わります。また、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産(またはその取得資金)を贈与した場合の配偶者控除(基礎控除110万円のほかに最高2,000万円、同じ配偶者からは一生に一度)がありますが、借入の肩代わりに使えるかは要件に照らして確認が必要です。いずれも、税理士または税務署に事前に相談してください。

住宅ローン控除と団信への影響

手続きの順番

  1. いまのローンの形(ペアローン・連帯債務・収入合算)と、不動産の登記簿の持分割合を確認する。
  2. 借り換え後の形(同じペアローンか、まとめるか)の候補を決め、取り扱う金融機関があるか公式ページと窓口で確認する。
  3. 単独・連帯債務にまとめる場合は、贈与税・持分・控除について税理士または税務署に相談する。
  4. 2人分(または1人分)の審査書類をそろえて申し込み、見積書で諸費用を確認する。
  5. 借り換えの効果を借り換えの損益計算で確かめる。ペアローンは1本ずつ入力して合計します。

借り換え全体の流れは借り換えの手続きの流れにまとめています。

注意すること

よくある質問

ペアローンを単独名義に借り換えることはできますか。

金融機関によります。他行のペアローンを単独名義にまとめる借り換えは受け付けないと公式に表示している金融機関もあるため、申し込む前に取扱いを確認してください。

単独名義にまとめると贈与税がかかりますか。

かかる可能性があります。一方の借入をもう一方が引き受けると、国税庁の説明する「債務の免除などにより利益を受けた場合」に当たる可能性があるため、持分の扱いも含めて税理士または税務署に事前に確認してください。

ペアローンのまま借り換えると、諸費用は2倍になりますか。

すべてが2倍になるわけではありません。印紙税は2本分かかり、定額型の事務手数料は本数分かかる場合がありますが、定率型の事務手数料や登録免許税は借入の合計額で決まるため、大きくは変わりません。

単独名義にすると、もう一方の住宅ローン控除はどうなりますか。

借入がなくなった人は、その後の住宅ローン控除を受けられなくなります。控除の対象額の計算は、国税庁の説明と税務署で確認してください。

出典(確認日:2026年10月28日)

団信はペアローンでも保障商品により異なります。一方の死亡等で他方の残高まで対象になる連生型などもあるため、「ペアローンなら必ず片方の借入だけ消える」と一般化しません。税額例は暦年課税の一般税率・他の贈与なし等の仮定です。婚姻20年以上の配偶者控除も債務の肩代わりへ自動適用されるものではなく、対象財産・要件を税理士へ確認してください。

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